2009年07月03日

全要研集会第1分科会から−6

 さて、こうした専門家につないでいく、ということの必要性について話してきましたが、聞こえないという障害に対する理解がある、ということも非常に大切です。社会が、ということは身の回りの人々が、聞こえないという障害に対して理解しているとはどういうことでしょうか。まず一つは、難聴者なら大きな声で話せば通じるとか、聞こえない人は手話を使うといった誤解を解消したいということがあります。以前と比べれば、こうした誤解は減ってきましたが、それでもまだまだ理解されていないということはあります。

 実際、特別養護老人ホームなど見ていると、ヘルパーの人が大声で話していたり、紙筒で耳元に怒鳴っていたりというのを見かけるといった話もあり、高齢難聴者に接することの多い人でも、なかなか理解されていないということがあります。こうしたヘルパーの方や、ケアマネの方々がもっと聞こえないことについて理解して欲しい、と思いました。もちろん、介護の対象者だけではなく、家族にも高齢難聴者がおられ、家族に説明するといった場合にも、同じように聞こえないことに対する理解がないと困るということもあります、
 こうした光景をみると、ちょっと筆談すれば通じるのに、と思うことがあります。実際、気軽に筆談する人が増えれば、難聴者の不便の多くは解消すると思います。もちろん筆談は万能ではないし、筆談についてまとまった研究もない、という状況ですが、聞こえない人、聞こえにくい人に対して、筆談することはとても大事です。現状では、相手が聞こえにくい、聞こえないと分かったら、気軽に筆談するということはまだまだ少ないですね。


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TAKA
コミックから評論、小説まで、本の体裁をしていれば何でも読む。読むことは喜びだ。3年前に手にした「美術館三昧」(藤森照信)や「個人美術館への旅」を手がかりに、最近は美術館巡りという楽しみが増えた。 大学卒業後、友人に誘われるままに始めた「要約筆記」との付き合いも30年を超えた。聴覚障害者のために、人の話を聞いて書き伝える、あるいは日本映画などに、聞こえない人のための日本語字幕を作る。そんな活動に、マッキントッシュを活用してきた。この美しいパソコンも、初代から数えて現在8代目。iMacの次はMAC mini+LEDディスプレイになった。       下出隆史
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